「coucou,me voila!」は自身の作品を発表していくだけではなく、保育園や世田谷のものづくり学校などでワークショップの活動も積極的に行っている。
「子どもと一緒に活動をしていると、自分だけで物を作るのとは全然ちがうんです」と草刈さんはいう。
「材料をそろえて、ちょっとしたヒントをあげるだけで子どもは自分で勝手にどんどん作品を作っていきます。その創造力には毎回驚かされます。親子でワークショップを開くと、パパやママも夢中になるんですよ」
出産する前に考えていたこととはどんどん変わってきている、と草刈さんは楽しそう。「ただ『作品をつくる』ということだけを追求したいのであれば、子どもがいないほうがいいかもしれませんね。でも、子どもがいることで気付かされることはそれ以上に大きいです」 子どもを産む前は単にセンスの良いもの、同じ子どもの世界といっても実際には「子どもの世界が好きな女の子が好きそうな」ものに惹かれ、また、そのような作品を作っていたが、今は見る人の心に残るもの、普遍的なものを作品として作りたいと考えるようになったという。
草刈さんはそのような思いを自分のグラフィックの作品に反映させたり、ワークショップを開催していくという「子どもも一緒に楽しめる世界」という方向が見えてきた。 一方、中川さんは布作家として子どもだけの世界ではなく、大人に向けての作品作りにも取り組むようになってきた。
「今までは二人ともオールラウンドにグラフィックデザインでも立体でもわりと何でもこなせたというところがあるんです。でも、「coucou,me voila!」での活動を通して、お互いの方向性が見えてきました」
「coucou,me voila!」をはじめて三年。「やっとリズムがつかめてきました」と草刈さん。
「デザインの仕事はどうしても夜にずれこむことも多いので、子どもが寝た後に仕事をしたり、家で仕事をしていると家族との時間との線引きが難しかったり・・・子どもが小さいうちは熱を出して仕事を休まなければいけないことも多いですし」仕事スペースや時間の確保、仕事のペースなど少しずつ問題を解決し、やっと最近、落ち着いてきたのだという。
「夢は絵本を作ることなんです。大人から見てもクオリティーが高くて、子どもにとっても心に残る本。言葉はなくてもグラフィックという自分のフィールドでできるみんなの心に残る本を作りたいですね」草刈さんの静かなたたずまいの中に、きらりと光る強い意志がダイヤのように輝いて見えた。
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