「お受験」――。幼い子供を持つ女性なら多少なりとも関心を引く単語だ。有名私立小学校の受験、またそこへ入れるための幼稚園受験、どちらもママたちの間だけでなく、現代の社会現象のひとつとまでされている。そんななか、幼稚園、小学校受験の情報コミュニティサイト「お受験ナビ.Com」を2005年3月に立ち上げた代表取締役の本村さんはこう語る。
「“お受験”という響きよりも“真面目な学校選び”と思っていただければいいと思います。どれくらい子供の環境や将来について考えているかどうか。実際に子供の受験を通 して子供への接し方、教育、環境などを親がきちんと見つめなおすいい機会になると思います。ミーハーな動機で受験させても合格はしないそうですよ(笑)。私がこのサイトを立ち上げたきっかけは、当時、私のまわりの女友達の会話は、ほぼ“お受験”オンリーでした。私も感化されて娘の学校選びを真剣に始めたところ、ただの噂や間違った情報が溢れていて、どれを信用していいのかわからない状態でした。本当に正しい情報を得るためにこのサイトを立ち上げようと思いました」。
1年間の会費1万2千円で、会員数は約1600人。掲示板には“お受験”を控えた人はもちろん、受験に合格した人、失敗した人からの書き込みもある。なかには意地悪な意見や誹謗、中傷もあるのでは?と思いがちだが、いたって前向きな内容だとか。
「会員制のためか、こうしたネットの掲示板的なところでありがちな無責任な悪口とかもなく、前向きに子供の将来を考える品格のある方が多いです。それには、運営しているこちら側が驚いています」
そもそも本村さんは、このお受験ナビ.Comのサイトを運営する前に、シチュエーション・マーケティングと本村さん自身が名づけた販促活動をする広告代理業をメインとする会社として設立した。
「シチュエーション・マーケティングと言うのは、ありがちな年齢や人のタイプでターゲットを区別 するのではなく、その場所、シチュエーションで人のニーズは分類できるのではないか、と思ったのです」。
たとえば、海外旅行をする人が空港で旅行会社から受け取る旅券やガイドの入ったビニールポーチの中に日焼け止めのサンプルやチラシなどを入れる。当時は誰もやっていなかったこの販促活動方法は、化粧品会社や旅行会社に評判を呼んだ。「苦労という苦労もあまり感じない性格で」と笑う本村さんだが、このプランを実施するために、あらゆる旅行会社に何のつてもなしで回る、一からの営業活動だけは大変だったそう。このとき、お子さんは1歳半から2歳という一番手のかかる時期だったはず。
「子育てと仕事の両立は大変でしょうとよく言われますが、主婦だけをしていたときの方が時間を持て余して、自分自身も鬱々としていたような気がします。それに仕事は時間の範囲内でやるようにしていますから残業はしません」と本村さんは言う。 |