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mamalive Interview
NPO法人 子供地球基金 鳥居晴美さん
鳥居晴美さん


1955年、東京生まれ、大学卒業後、結婚。専業主婦として過ごすが、自分の理想とする保育理念を持った幼稚園が見つからず、自ら幼稚園をつくることを決意。1985年にユニダインターナショナルスクールを開園。1988年には、紛争や災害で心に傷を負った子どもたちを救うために子供地球基金を設立。以後、世界の子どもたちのために積極的なボランティア活動を行う。語学サービス会社イスト代表取締役も務めるかたわら、世界各国のアーティストのプロデュースなどを手掛けている。著書に『最初の選択 幼稚園からはじめよう』がある。

子供地球基金事務局 鳥居晴美さん  

子供地球基金事務局は東京・恵比寿の閑静な住宅街にある一軒家。一階の部屋には世界90カ国から集まった子どもたちの絵が掛けられている。そして板張り床には、病気で入院している子どもたちが太陽をイメージして自由に色づけした木の椅子がある。子供地球基金では、子どもたちの絵を企業や事業団体に貸し出し、その収益金を戦争や災害で苦しんでいる子どもたちに寄付したり、心を癒すためのアートワークショップを行うNPOだ。その創設者である鳥居晴美さんは、プリスクールの園長、語学サービス会社の経営者、そして妻・母親の3つの顔を持つ。しかし、すべてが同じ顔。カッコつけず、肩肘張らずにありのままの自分で生きてきた。

意外にと言っては失礼かもしれないが、鳥居さんは大人しい子どもだったという。封建的な家庭に育ち、女性は働くより結婚して家庭を守ることが一番の幸せだと教えられてきた。大学卒業後、一度も働くことなく専業主婦になった鳥居さんが社会と深く関わる実業家になるきっかけ、それはひとり息子の星(せい)くんの出産体験にあった。
「星を生むとき、母子ともに生死をさまようほどの難産でした。こんなにつらい思いをして生まれてきました息子の命を愛おしく思わずにはいられませんでした。私自身、生きていることの素晴らしさも強く感じました。このとき、自分の中に秘められていたパワーが引き出されたように感じます」 愛情をたっぷり受けて大切に育てられた星くんが幼稚園に入園する年齢になったころ、鳥居さんは通 える距離にある幼稚園はすべてくまなく調べた。結局、理想とする幼稚園は見つからなかった。普通 の母親なら、不満はあっても一番いいと思える幼稚園を選ぶだろう。しかし鳥居さんは違った。「それなら幼稚園を自分でつくるしかない」と一念発起 。

「人間にとって本当に大切なのは最終学歴ではなく、最初の教育だと思うんです。息子には、たとえどんな道を歩いても自分の手で幸せをつかめるように、自分の気持ちを表現できる、他人のことも理解できる、心の豊かな人間に育ってほしいという一心から、幼稚園をつくろうと思ったんです」 一度も働いた経験のない主婦が幼稚園をつくる。そんな無謀な決意に、もちろん夫も父親も取り合うはずがなかった。資金もなければ、人脈もない状況から幼稚園設立を目指して、ひとりで銀行をまわり、先生を探し歩いた。鳥居さんの夢と熱意に共感し、一人、二人と損得勘定なしに協力してくれる人たちが集まってきた。ようやく広尾のアパート2室を借りて、理想の幼稚園「ユニダインターナショナルスクール」がスタートしたのは半年後のことだった。
「開園当初、園児は星だけ。それでもいいと思ったんです。1000万円の資金も、星に理想の教育を受けさせられるのであれば高くない。星のためにつくった幼稚園なんだからって」 ユニダの教育理念は次第に広まり、広尾のアパートはまもなく園児たちの笑い声でいっぱいになった。

鳥居晴美さん
 
絵


日本の幼稚園や学校は指導者主体で覚えさせる教育が中心になりがちだ。でもユニダでは、子どもたちに何かを感じさせて表現させることを大事にしている。自己発見、これが基本だ。英語も、絵も、文化を学ぶこともすべて自分を表現するための道具として取り入れている。
「言葉で表現する、絵で表現する、体で表現する、表現にもいろんな方法があります。ユニダでは子どもたちに表現することの大切さを感じとってほしい。自分が表現していかなければ、結局は何ものこらない。表現することはコミュニケーションの手段であり生きている価値になると思います」 自分の考えを持ち、表現することを小さいうちから学んでいく。人と自分のどこがどう違うのか感じ取り、違う人を認められることが、現代社会の問題となっているイジメや差別 意識をなくし、世界の平和につながるのかもしれない 。

ひとりの母親として、教育者として、ユニダの子どもたちだけでなく、地球の子どもたちに表現することの楽しさ、大切さを知ってほしい。そして世界の友だちと自分たちが生きている地球を大切にしてほしい。そんな思いから、1988年に子供地球基金を設立した。
「ユニダを通じての知り合った方や、これまでに個人的に知りあった方が、日本だけでなく海外にもいらっしゃったおかげで子供地球基金の活動をはじめることができました。どんな小さなことでも行動をおこすことが大切です。勇気あるものに必ず運命は微笑みますから(笑)」
鳥居さんの熱意ある言動が、個人を動かし、企業を動かし、世界の子どもたちを助ける。その活動は世界へと広がっている。ユニダで育った星くんや卒園生たちも、大人になった今、自ら進んでボランティア活動に参加しているという。

人間として50年、仕事をして20年。振り返ってみると、決して何か強い目標があったわけではない。日々壁にぶち当たり、目の前のことに200%のパワーをかけて無我夢中で走り続けてきた。失敗から学び、失敗を失敗にしないこと、あきらめなければいつか失敗は成功になる。妥協をしない人生、それが鳥居さんのモットーだ。
「これからもひとりの個人として、子どもたちのためにいろんなことを社会へなげかけていきます。この20年で築いてきた人間関係の中で、点として存在しているものを線にしたり面 にする。そうすることで、オセロゲームのようにあるとき世の中がパッとひっくり返るんじゃないかって思うんです(笑)」

 
キッズ
 
Q1. いま一番やってみたいことは?
今まで子どものすることを見てきた
影響もあるんでしょうね。
童心にかえって、絵をかいたり
物をつくったりしたいですね 。

Q2. 自分のどこをほめられるとうれしい?
「鳥居さんに会うと、元気になる」。
いつもプラスのエネルギーを出していたいです 。

Q3. 今までで一番はずかしかったことは?
短気でおっちょこちょいだから、
たくさん恥をかいています(笑)。
だから、そのままでいいやって
思うようになりました 。

Q4. 最近いつ泣いた?その理由は?
新潟の被災地にボランティアで行ったとき、
現地の子どもたちの声を直接聞いて
涙がこぼれました 。

Q5. あなたがすごく感動した映画は?
『ひまわり』です。
人間の情緒感とひまわりのイメージとの
コントラストがいい。
どんなに大変でも、
ひまわりのように太陽に向かって
力強く生きていきたいと思います 。

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