“株をやっている”というと堅く、難しい世界にいるように思えるのだが「私も最初は何も知らなかったんですよ」とにこやかに微笑む吉田さんは、そんなイメージからはほど遠い。「代理店に勤めているときは他の人と一緒で、どこのお店のご飯がおいしいかな、とか、ファッションのことにしか興味がありませんでした」
吉田さんが株を始めるきっかけを作ってくれたのはおばあさんだった。「祖母はゼロの状態からひとりでビルまで建てたやり手の女性で、株の運用もしていました。6年前のある日押し入れから株券を出してきて『これで株の勉強をしなさい』と渡されたのです」何も知らなかった吉田さんは大手証券会社に相談し、口座を開設した。ちょうど世間はITバブルの頃。「証券会社の人に言われるままIT株を買って、すぐに儲かって」それも少しの間で、すぐにITバブルは崩壊、資金は三分の一まで落ち込んだという。「このままじゃいけないと思い、猛勉強を始めるきっかけになりました」
片端から本を読み、知り合いの証券マンに話を聞き・・・と学習を積み重ねていくなか、ある日、今までチンプンカンプンだった日経新聞に書いてあることがわかるようになったという。読めなかった英語がすらすらと頭に入ってくるように。「理解できるということがすごくおもしろくなって。経済・金融情勢・世界情勢のことがわかるようになりました」今まで興味のなかった世の中の仕組みが、株をやることによって見えてきたという。それから途端に面白くなって、本格的に株に熱中することに。
仕事をしているときは時間もなかったが、結婚し時間ができたことをきっかけに、本格的にデイトレーダーとして株を運用するようになった。インターネットを主に活用していたので、一人目の息子さんを出産しても変わらなかった。「株を運用することで広い視野を持つことができました。社会の動きに目を向けていないと株はできませんから。常に社会とつながっているというのがいいですね」子育てだけではない世界を持つということは自分の自信にもつながっていく。「子どものこと、ファッションのことなどをママ友達と話すのももちろん楽しいのですが、それとはちがう経済の動きや社会のことをママ友達以外の方とお話できるのは、自分自身にとって貴重な時間だと思います」 |