明るい日射しの差し込む「ママリブ・バルコニー」のキッズルームに、小さなスーツケースにたくさんの画材をつめてp.yuqi(ユキ)さんがやってきた。「ちょっと道に迷っちゃって」と、はにかむ姿からは5歳のお子さんがいるとは想像しにくい。どんな絵を描く予定ですか?とたずねると「まず、この壁からお話が始まって・・・」目をキラキラさせながら熱心に壁に描く絵のストーリーを話してくれた。yuqiさんの頭の中にはすでに真っ白い壁にかわいい世界が広がっていた。
「絵を描くのは好きだったけど、他の子の方が上手だと思っていた」というyuqiさん。絵を描くことが仕事になるとは思っていなかったという。それが20歳のとき、サヴィニャックのポスターに出会い、絵を描くことが職業として成り立つことに衝撃を覚える。「カルチャーショックでしたよ。イラストレーターという職業があるなんて知りませんでしたから」 その後、イラストの勉強を本格的に始めるのだが「やっぱりまわりの人のほうがうまくて」学校も休みがちになってしまう。
yuqiさんが本格的に絵を描き始めたのは、結婚して熊本に行ってから。「まわりの環境がガラッと変わって、すぐにはうまくなじめなくて(笑)でも、その分自分のやりたいことがはっきりしたんですよね」
その頃から自分のまわりの人をモチーフに絵を描くようになり、そのうちに雑貨屋にポストカードなどを置くようになる。「多いときは一日に4枚も描いたりして・・・季節ごとにポストカードを描いたり、とにかくたくさん描いていました」
「ストーリーが先にあって、その一場面がイラストになるということが多いですね」というyuqiさんは自作絵本(なんと板に描いた大きいものもあるとか)の読み聞かせなども行っている。
子どもが産まれる前からミニ絵本を作っていたというが、「子どもを産んだことは大きいです。子どもに対する価値観が変わりましたから。子どもがいるから今、絵を描いているというところもいっぱいある」という。
とはいえ、子育てをしながら絵を描く仕事をするのは楽なことではないだろうと聞くと「そんなことないですよ。本格的に仕事を始めたときにはもう子どもがいたから」
子どもが産まれたことで絵を描くリズムが変わったとか生活リズムが変わったということもなく、自然に「絵を描くこと」と「子どものいる生活」を楽しんでいるようだ。
「子どもといる時間を大切にしたいので、打ち合わせを午前中にしてもらったりはしています。この業界ではとても珍しいみたいなんですが(笑)」 |